ep.4 娘の愛した男の正体

■ご依頼者:Mさん(女性65歳)

 ある日、とても品の良い初老の女性、Mさんが事務所に相談に訪れました。
 Mさんの依頼は、一人娘のY子さんの恋人の身元調査でした。Y子さんは数ヶ月前、結婚相談所で紹介された男性とお付き合いを始められたといいます。Mさんは数年前にご主人をなくされ、その遺産で30歳を過ぎて結婚していなかった娘のために家を購入していました。娘さんはその家で1人暮らしをしていたのだそうですが、最近はその男性が転がり込んできたような状況で、同棲に近い暮らしをしているといいます。

 

「35歳にもなる娘を心配するのも親バカだとは思いますが… 」

 

そういいながらも、相手の男性がMさんと会おうとしないこと、結婚相談所の紹介では上場企業の正社員と言うことだったが、勤務している様子が見られないことなど、いくつか気になる点があるといいます。

 

「娘の選んだ人ですから、その方のことを信頼したいんです。そのための調査ですので、よろしくお願いいたします」

 

 それでもMさんはそう言って、丁寧に頭を下げられました。

 

 ですが私はその話を聞いて、探偵の勘と言うものでしょうか、ひどく心配になりました。特に結婚相談所の紹介と言うことで、身元がきちんとしていると信じられていましたが、どこまで信頼できるものかという不安が心をよぎったのです。

 

 早速交際相手の素行調査を行ったら、複数の女性との交際が確認されました。なんと4人の女性と交際していることがわかりました。

 

 大変な事実が発覚したことから、まだ調査の途中でしたが、私はMさんに連絡を取り、途中経過と言う形でその内容をお伝えしました。するとMさんはその事実を自分なりに冷静にに受け止めようとしているようでした。しばらくうつむいてじっと自分の手を見つめていましたが、やっと返ってきた言葉は思いがけないものでした。

 

「確かに、事実が違っていた事はショックです。でも、娘が選んだ人ですので、私は信じようと思います」

 

 そうおっしゃるMさんに、今度は私が驚かされてしまいましたが、冷静に次のようにしたいました。

 

「これは、もしかしたら娘さんにとって大変なことかもしれません。まだ調査途中なので、さらに詳しく調べます」

 

 これは大変なことになるかもしれない。その思いで、私は急ぎ身辺調査を進め、調査員たちに丹念に聞き込み調査を行うよう指示しました。そしてついに恐ろしいことがわかりました。なんとこの男性と交際した女性たちはすべて、暴力を受けており、また女性の持っていた資産も巻き上げられ、挙句捨てられていたのでした。今もまだ、精神的に立ち直ることができない女性もいるという鬼畜のような男です。

 

 もうこれは、Y子さんが五番目の被害者になる事は目に見えています。誰が聞いても99パーセント、やめさせなければならない交際だと思いました。

 

 私はMさんに改めてその結果をお伝え、一刻も早くはY子さんをその男から遠ざけなければいけないと必死になって話しました。

 

「高田さん、お気持ちはとてもありがたいです。でも、誰が見ても99パーセントだめでも、残りの1パーセントに娘が自分のの幸せをかけてみたいと思うのなら、私もその娘の気持ちを信じてあげようと思います」

 

 Mさんは、探偵事務所に調査を頼んでいることをY子さんには話していませんでした。そしてこのまま見守りたいと言う言葉、そこには親が娘を思う、親子の愛情があったのです。たとえ調査の結果が真実でも、私が探偵としての勘を信じて説得しようとしても、この親子の愛の前には太刀打ちできませんでした。

 

 とりあえずこれで調査が終了しました。しかし私はMさんにしっかりと、このことをお伝えました。

 

「Mさん、これでご依頼の件は完了となりますが、これで縁が切れたとは思わないでください。何か困ったことがあれば、必ず私に遅くご連絡くださいね」

 

 その翌日のことです。夕刻、私の携帯電話にMさんから切迫した声で連絡が入りました。

 

「今、娘が自宅の近くの公衆電話から、私のところに電話をしてきました。高田さんのおっしゃるとおり、娘があの男に殴られていたようです。泣きながら、怖くて動けないと言っています。どうしたらいいでしょう」

 

 私は社内の男性スタッフと車で現地に急行して、Y子さんを助け出しました。顔には殴られた跡があり、裸足のまま怯えるように電話ボックスにうずくまっていました。その姿に、本当に危機一髪であった、とにかく間に合ったと胸を撫で下ろしました。

 

 実はY子さんは以前よりこの男性から頻繁に暴行を受けており、また貯金からも数百万円をとられていました。こうした状況もあり、また親子2人の家庭ですっかり心細くなったとおっしゃるため、私どもの懇意にしている弁護士さんを紹介して、問題を全て解決させていただきました。

 

「あの時、高田さんが必死になってあの男は危険だとおっしゃってくれた姿は、今でも目に浮かびます。娘から電話があった時も、高田さんのおかげですぐに助けだすことができました。もしあの調査がなかったら、私たちもいつまでも迷って、ずるずると悪い方へ引きずられていたのかもしれません。本当にありがとうございました」

 

 後に、MさんとY子さんが一緒に訪ねてきて、そうおっしゃってくださいました。

 

 もしあの時、調査の内容だけをお伝えして、それでご縁を切っていたら、この母娘はどんなことになっていたかと思うと、やはり自分の仕事には大切な意味がある事を感じずにはいられない、そんな出来事の1つでした。

ep.1 小さな依頼者からの贈り物

ep.2 家出から20年後の家族との再会

ep.3 同居の息子を素行調査、の理由

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娘の愛した男の正体

ご依頼者:Mさん(女性65歳)

 

 ある日、とても品の良い初老の女性、Mさんが事務所に相談に訪れました。
 Mさんの依頼は、一人娘のY子さんの恋人の身元調査でした。Y子さんは数ヶ月前、結婚相談所で紹介された男性とお付き合いを始められたといいます。Mさんは数年前にご主人をなくされ、その遺産で30歳を過ぎて結婚していなかった娘のために家を購入していました。娘さんはその家で1人暮らしをしていたのだそうですが、最近はその男性が転がり込んできたような状況で、同棲に近い暮らしをしているといいます。

 

「35歳にもなる娘を心配するのも親バカだとは思いますが… 」

 

そういいながらも、相手の男性がMさんと会おうとしないこと、結婚相談所の紹介では上場企業の正社員と言うことだったが、勤務している様子が見られないことなど、いくつか気になる点があるといいます。

 

「娘の選んだ人ですから、その方のことを信頼したいんです。そのための調査ですので、よろしくお願いいたします」

 

 それでもMさんはそう言って、丁寧に頭を下げられました。

 

 ですが私はその話を聞いて、探偵の勘と言うものでしょうか、ひどく心配になりました。特に結婚相談所の紹介と言うことで、身元がきちんとしていると信じられていましたが、どこまで信頼できるものかという不安が心をよぎったのです。

 

 早速交際相手の素行調査を行ったら、複数の女性との交際が確認されました。なんと4人の女性と交際していることがわかりました。

 

 大変な事実が発覚したことから、まだ調査の途中でしたが、私はMさんに連絡を取り、途中経過と言う形でその内容をお伝えしました。するとMさんはその事実を自分なりに冷静にに受け止めようとしているようでした。しばらくうつむいてじっと自分の手を見つめていましたが、やっと返ってきた言葉は思いがけないものでした。

 

「確かに、事実が違っていた事はショックです。でも、娘が選んだ人ですので、私は信じようと思います」

 

 そうおっしゃるMさんに、今度は私が驚かされてしまいましたが、冷静に次のようにしたいました。

 

「これは、もしかしたら娘さんにとって大変なことかもしれません。まだ調査途中なので、さらに詳しく調べます」

 

 これは大変なことになるかもしれない。その思いで、私は急ぎ身辺調査を進め、調査員たちに丹念に聞き込み調査を行うよう指示しました。そしてついに恐ろしいことがわかりました。なんとこの男性と交際した女性たちはすべて、暴力を受けており、また女性の持っていた資産も巻き上げられ、挙句捨てられていたのでした。今もまだ、精神的に立ち直ることができない女性もいるという鬼畜のような男です。

 

 もうこれは、Y子さんが五番目の被害者になる事は目に見えています。誰が聞いても99パーセント、やめさせなければならない交際だと思いました。

 

 私はMさんに改めてその結果をお伝え、一刻も早くはY子さんをその男から遠ざけなければいけないと必死になって話しました。

 

「高田さん、お気持ちはとてもありがたいです。でも、誰が見ても99パーセントだめでも、残りの1パーセントに娘が自分のの幸せをかけてみたいと思うのなら、私もその娘の気持ちを信じてあげようと思います」

 

 Mさんは、探偵事務所に調査を頼んでいることをY子さんには話していませんでした。そしてこのまま見守りたいと言う言葉、そこには親が娘を思う、親子の愛情があったのです。たとえ調査の結果が真実でも、私が探偵としての勘を信じて説得しようとしても、この親子の愛の前には太刀打ちできませんでした。

 

 とりあえずこれで調査が終了しました。しかし私はMさんにしっかりと、このことをお伝えました。

 

「Mさん、これでご依頼の件は完了となりますが、これで縁が切れたとは思わないでください。何か困ったことがあれば、必ず私に遅くご連絡くださいね」

 

 その翌日のことです。夕刻、私の携帯電話にMさんから切迫した声で連絡が入りました。

 

「今、娘が自宅の近くの公衆電話から、私のところに電話をしてきました。高田さんのおっしゃるとおり、娘があの男に殴られていたようです。泣きながら、怖くて動けないと言っています。どうしたらいいでしょう」

 

 私は社内の男性スタッフと車で現地に急行して、Y子さんを助け出しました。顔には殴られた跡があり、裸足のまま怯えるように電話ボックスにうずくまっていました。その姿に、本当に危機一髪であった、とにかく間に合ったと胸を撫で下ろしました。

 

 実はY子さんは以前よりこの男性から頻繁に暴行を受けており、また貯金からも数百万円をとられていました。こうした状況もあり、また親子2人の家庭ですっかり心細くなったとおっしゃるため、私どもの懇意にしている弁護士さんを紹介して、問題を全て解決させていただきました。

 

「あの時、高田さんが必死になってあの男は危険だとおっしゃってくれた姿は、今でも目に浮かびます。娘から電話があった時も、高田さんのおかげですぐに助けだすことができました。もしあの調査がなかったら、私たちもいつまでも迷って、ずるずると悪い方へ引きずられていたのかもしれません。本当にありがとうございました」

 

 後に、MさんとY子さんが一緒に訪ねてきて、そうおっしゃってくださいました。

 

 もしあの時、調査の内容だけをお伝えして、それでご縁を切っていたら、この母娘はどんなことになっていたかと思うと、やはり自分の仕事には大切な意味がある事を感じずにはいられない、そんな出来事の1つでした。